罪悪感のない食生活を提案する
『ギルトフリーな食生活』

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Healthy & Yummy SAN-JIRUSHI サンジルシ

「働く1人のママとして、自分と同じような人を助けたい」商品開発者の『グリーンライン』に対する想い

2023.01.26
食と生活

サンジルシ​​醸造株式会社グルテンフリー事業推進リーダー伊勢川さん

サンジルシ​​醸造株式会社で、企画開発部マーケティング課係長、グルテンフリー事業推進リーダーとして最前線で働く伊勢川さん。
キャリアウーマンな一方で、家庭では3歳児の母でもあります。子供ができて、仕事と家庭のバランスの難しさからくる「食の罪悪感」を少しでも減らしたいと、家事の中でも特に負担の大きい調理に注目して『グリーンライン』を立ち上げました。
今回は、働くママの一人としてその苦労とグリーンラインの商品に込めた想いをインタビューしました。

忙しいのカタチが変わった。子供とコロナが大きく影響した食生活とライフスタイルの変化

どんなきっかけがあってグリーンラインの商品を作ろうと思いましたか?

2019年に子供が産まれたことです。ちょうどコロナと重なり、必然的に家での食事が増えて今まで以上に健康的な食事を意識するようになったのですが、子供には離乳食や幼児食を用意する必要があり、料理にかかる時間と労力的な負担が大きくなっていました。

そこで、もっと手軽に安心して使える商品が欲しいと思って探したんですけど、意外とないんですよね。もちろん探せばネットには沢山あるんですけど、一般小売店でこんなに調味料が沢山並んでいるのに、理想的な商品が買えないことも商品開発のきっかけになりました。

商品開発の部署だから作る訳ではない、本当に欲しいものの追求

−グリーンラインに込めた想い。

グリーンラインの商品は、「自分と同じように料理に対する負担を感じている人を助けたい」という想いが強くあります。料理って、家事の中でも一番負担があると思うんです。

サンジルシ​​醸造株式会社グルテンフリー事業推進リーダー伊勢川さん

健康、栄養、味、彩りなど、バランスを考えて作る必要があるので、調味料や食材選びから料理が始まっているんですよ。「安心できるものを家族に提供したい」という気持ちをなるべく簡単に料理に表現できるよう、化学調味料無添加、国産、減塩、グルテンフリーといったポイントに特にこだわりました。

心も体も環境も、全ての健康は繋がっている

−グルテンフリーなど多様な〇〇フリーがある中で、なぜギルトフリーをテーマに選んだのでしょうか?

もともと当社では「グルテンフリー」に特化した商品を販売していましたが、その中でギルトフリーが健康志向の点と点を結ぶ、包括的な健康のテーマだと気づいたからです。化学調味料無添加やグルテンフリーに関しては職業柄もあって意識していたんですが、それにばかりフォーカスしていて、メーカーとしては少し日本での市場の狭さを感じていました。

サンジルシ​​醸造株式会社グルテンフリー事業推進リーダー伊勢川さん

「グルテンフリー商品をお客様にお届けしよう!」となってから、実際に自分で2週間のグルテンフリー生活を送ってみたのですが、集中力や腹持ちなど、朝食をご飯に変えるだけで結構変化があることがわかりました。グルテンフリーはアレルギーや病気だけでなく「健康的な生活を送るための、ひとつの選択」という考えが持てるようになり、人それぞれに見合った健康要素があるのではないかと実感しました。

そして、それを実現するには何か一つに特化するのではなく、食材が育った環境や、おいしくて体にいい食事、心の安定など、全て必要だと気づいた時、ギルトフリーはとても魅力的なテーマだし、市場としても広がりがあると感じて選びました。

−伊勢川さん自身が罪悪感(ギルト)を感じるときはどんな時ですか。

もうとにかく子供のことですね。(笑) そもそも生活が子供の生活リズムに合わせて規則正しくなったので、今は自分の食事で罪悪感を感じることはほとんどないかもしれません。

一人暮らしだった時は「夜遅くに食べちゃった」とかありましたけどね。自分に対する罪悪感がなくなった分、子供に対して色々と感じることが多いのかもしれません。

サンジルシ​​醸造株式会社グルテンフリー事業推進リーダー伊勢川さん

−子供に対する罪悪感はどんなことですか?

平日の外食です。私の中で、平日は仕事も帰宅後の家事も頑張るようにしているんです。その分、土日はハードルが下がって、みんなで外食に行って楽しんだりしてリフレッシュしています。

だから「ちゃんと料理を作ろう」、「頑張りたい」と思っている平日に仕事が忙しかったり、子供に手がかかって料理どころではなくなってしまった時に外食に頼ってしまうとすごく後悔します。

添加物が入っていないものを食べさせたいと思って手作りしているのに、外食ではそれができない。お店に行っている時点で、その味を受け入れて食べているので、自分のことは全然いいんですけど、そういうものを子供に食べさせてしまったというのはどうしても罪悪感を感じてしまいますね。「自分で作ったものだったら、味も濃くないものであげられたのに」、「添加物摂らせちゃったな」とか、どうしても思ってしまいます。

企業イメージと商品テーマ、ニーズを合致させる

−味噌・醤油で有名な会社が、なぜこの4商品でグリーンラインをスタートすることになったのでしょうか。

健康的な食事を実践している人は基礎調味料からこだわって料理を作っているからです。

グリーンラインの商品は調理をする人がターゲットなので、そういった人をもっと手助けしたいという想いがあります。味がまとまる調味料を出したいということで、「すこやかプラスこだわりの野菜だし」、「すこやかプラスこだわりの万能だしつゆ」、「すこやかプラスこだわりのぽん酢」の3商品を選びました。

「大豆のお肉の味わい深いボロネーゼ」はさらに簡便性を追求した商品として、忙しい日々を送りながら健康にも気を遣っていきたいという女性をターゲットにしました。

ギルトフリー食品ブランド『グリーンライン』

実はグルテンフリー商品を手掛け始めた際に、お湯を入れるだけで完成するグルテンフリーの1食完結のフォーを作ったんですが、なかなか浸透しませんでした。私自身がグルテンフリー生活をしてみて、あえてこのグルテンフリーの調味料を選ぶ人はこだわりを持って料理されている方が多いことに気づいたんです。

一般的に味噌と醤油は発酵食品で、健康的なイメージがある身近な食品です。サンジルシが味噌と醤油を造っている会社だと知っていただいている方には、伝統的で大豆の発酵に精通した商品を作っている会社だという認知があると思います。そのイメージを崩して全く違うフィールドの商品を作ることは違うなと感じましたね。

サンジルシ​​醸造株式会社グルテンフリー事業推進リーダー伊勢川さん

だからこそ、普段から食事に気を遣って調理をしている人たちが、納得して基礎調味料の代わりに使ってもらえる商品を作りたいと思いました。

野菜だしは「お子様向け」というテーマにも特に合致していると思ったので、想い入れが強いですね。離乳食や幼児食にも、ぜひ使っていただきたい商品です。

「納得して買ってもらう」企業の想いを押し付けるのではなく、受け入れてもらう努力

−今回のグリーンラインの商品で特にこだわった部分はどこですか?

グリーンラインの商品ではグルテンフリー・減塩・大豆たんぱくの力をブランドにおける3つの軸として謳っていますが、どの商品にも共通しているのは「お客様に納得して買ってもらうこと」です。食事に意識を向けている人たちは必ず裏面を見て納得してから購入しています。ギルトフリーのテーマは人それぞれだと思いますが、商品を見て納得してもらうことから逸脱しないように、サンジルシでは「すこやかなるおいしさ」をギルトフリーのテーマにしました。いくら体や健康にいいとわかっていても、おいしくなければ継続できません。そのために次の3点にこだわりました。

サンジルシ​​醸造株式会社グルテンフリー事業推進リーダー伊勢川さん

こだわり1:グルテンフリー

当商品群は、グループ会社であるSan-J International, Inc.およびサンジルシで長年培ってきた技術を元に、全てグルテンフリー仕様で仕上げています。グルテンの摂取を控えられている方にもおすすめできる一品となっています。

こだわり2:化学調味料無添加

いわゆる化学調味料を使わずにおいしさを表現しようとすると、自然由来なものでうまみを表現することになります。いかに安心して使ってもらえる素材で、使い勝手のいいおいしい味にするか、味の設計はとても難しかったです。

化学調味料無添加は子供ができたからこそ、料理において必須条件になりました。基礎調味料に負けないような、安心でおいしい味になっているので、ぜひ試してみてもらいたいです。

こだわり3:クリーンラベル

裏面の確認は納得して購入する1番のポイントです。グリーンラインの商品は、わかりにくい名称の原材料表示をできる限り避け、シンプルにしています。誰が見てもわかるような原料を使用し、安心して購入いただけるよう、原材料の選択にもこだわりました。

家族みんなのお守りになる味

−どんなブランドにグリーンラインの商品はなっていってほしいと思いますか?

グリーンラインを見るだけで「健康的な食事を日常に簡単に取り入れられる、おいしくて安心安全な商品」というように多くの人に認知してもらえることが理想です。そしてギルトフリーというテーマがもっと日本で広まっていくと、人それぞれの選択肢が広がっていくと思うので、そのひとつにグリーンラインが入っているといいなと思います。

ただ、その一方で「今後の商品はもっと選んでいかなくてはいけないな」とも考えています。毎年様々な商品が発売されていますが、せっかく買った調味料が最後まで使いきれずに冷蔵庫に眠っているご家庭も少なくないと思っています。

そんな中でグリーンラインの商品を選んでいただけるようなお客様が、どういった味、使用用途の商品を必要とされているのか。それを見極めて本当に喜んでいただける商品を出していければと思います。

サンジルシ​​醸造株式会社グルテンフリー事業推進リーダー伊勢川さん

グリーンラインの商品は安心安全な原料からできており、簡単に味の調整ができ、しかもおいしいという特徴があります。忙しい毎日の中で、健康になるために頑張りすぎることが負担にならないように商品を作ったので、使ってくれた方が「これを選んだら大丈夫」というような安心して手にとってもらえる存在にしたいです。グリーンラインがそういった人にお届けできて、「家庭料理のお守り」のようなブランドになってほしいと思います。

日常において無理なく健康になれること

−伊勢川さんにとってのギルトフリーとはなんですか?

ギルトフリーの本質は、日常において無理なく健康になれることだと思います。日々「これを摂らないようにしよう」と考えていても、全ての人ができるわけではなく、それによりストレスを抱えてしまうことは違うと考えています。

サンジルシ​​醸造株式会社グルテンフリー事業推進リーダー伊勢川さん

家庭を持って感じるのは、自分のストレスが家族のストレスとして伝染してしまうこと。ひとりなら仕事でのストレスや疲れを家に持って帰っても問題ありませんが(自分は大変ですが…)、子供や家族が相手ではそうもいきません。だからこそ、家に帰ってから献立に悩んだり、料理のことを深く考えなくてもいいというのは、それだけでストレスから解放されるし、健康を考えた料理の手間がないことは、ギルトフリーのひとつだと思うんですよね。

料理に対するストレスや罪悪感をゼロにはできなくても、手助けとなるようなことが少しでもグリーンラインの商品を通じてできたらいいなと思います。

今回、伊勢川さんのお話を聞く中で、子供や家族のために料理を作る人の負担は思っている以上だと知りました。ただお腹が満たされればいいわけではく、「きちんとした料理を作りたい」という想いから、それができないことがストレスや罪悪感になってしまうこともあります。

その背景には、日々忙しい中でパートナーと家事分担をしたくても、料理だけは任せにくくなっていることも要因のひとつです。伊勢川さんが、「グリーンラインの商品が、家庭料理のお守りのようになってくれたら嬉しい」と話してくれたように、普段料理をしない人が作った料理でも「これを使っているなら安心!」と、グリーンラインの商品を通して自分にもやさしくできる人が少しでも増えてくれるといいなと思いました。

最後に、開発者としての想いを熱く語ってくださったサンジルシ醸造株式会社の伊勢川さん、ありがとうございました。

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